年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「上の子は主人に似たのかそれでも自分の意思を言えた子でしたが、由也はあの通り内側に閉じ込めて我慢してしまう子で……」
由也くんは幼少からおとなしくのんびり屋さんだった。でも本当は内側で違うと感じていてもそんな素振りを見せないために“のんびり屋”を装っていたのではないか、と母親は言った。何かにつけ我慢してしまう、自分さえ我慢すればいいならと。
きっと頭ごなしに押さえ付けられて、世の中そういうもんだと思い込んで来たんだろう。厳しい父親の下で、それが由也くんなりの生きる術だったのかもしれない。
「だからあなたとのことも話せずにいたのでしょうね」
ライバル社に出し抜かれた一件、手塩に掛けた長男に出て行かれた一件……。母親はそんなことも加えて説明した。