年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)

「だから驚きました、まさかあんなふうに堂々と……。それだけ由也も覚悟を決めたのでしょう、長谷川さんと一生を過ごして行きたい、と」
「……」


 父親のトラウマより私を選んでくれた。それは嬉しくもあったけど、私はご両親に申し訳無い気持でいっぱいになった。


「す、すみません、私……」
「だからあの子、それでも出社しましたよ、今日」
「は……?」


 由也くんは殴られた目を隠すために眼帯をし、尻餅をついたときに捻挫した手首に湿布をし、出社したと母親は言った。


「由也くん……」
「きっと主人への意地なんでしょうね。何があっても仕事はきちんとこなします、っていう……」
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