年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)


 食べ終えて茶を啜る。来週末、由也くんは何をする気だろう。いつもは私が引きずり回してたから、こんなことは初めてかもしれない。大抵のデートは私が練っていた。映画とかランチとか美術館とかウィンドウショッピングとかボーリングとか、私の行きたいところばっかりだった。


「ま、無事別れたら飲み行こうぜ」
「うん」
「ちゃんと介抱してやるから飲めよ」
「うん」
「でも長谷川はザルだからな」
「まあね」


 鎌谷の慰めを聞きつつ、私は反省した。由也くんはいつもニコニコして私の行きたいところに付き合ってくれてたなあ、って。別れるんならもっと由也くんの行きたいところに行けば良かった。いや、行かなくても次の誰かが連れてってくれるか……。
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