年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
由也くんの母親とそこで別れて私は会社に戻った。足元が覚束ない、フワフワと宙に浮いてるみたいだった。頭の中はいっぱい……これからどうしよう、父親を必ず説得するという由也くんを信じて東京に残るか、はたまた実家に帰るか。私はパニック状態に陥ってはいたけど、今までとは違う感じがしていた。
「空腹だから宙に浮いてるとか? いやナイナイ有るわけ無い……痛っ」
「隙あり過ぎだろ」
「なんかいつもより痛い……」
廊下で後ろから鎌谷にチョップされた。鎌谷は、あけおめチョップは気合い倍増だっ、有り難く思え!、と吐く。
「ん? 顔色がいいな。いいコトあったんだろ」
「あ、うん。由也くんが殴られた」
「はああ? 男が殴られたのに喜ぶのか、ボケ」
「ん。それがさあ……」