年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「綾香さん大丈夫?」
「私より由也くん大丈夫なの??」
「うん、この通り」


 週末、由也くんはうちに来た。眼帯は取れていたけど瞼も頬もまだ青い。唇も切れて痛むのか由也くんはボソボソと喋る。小さい頃から叩かれている由也くんは叩かれなれてるのか割と平然としていた。


「私のせいで……」
「綾香さんのせいじゃない」
「だって」
「こうなることは分かってたから」


 年明け早々に奇怪な顔で挨拶にも行けず内勤しているらしい、営業に出られなくて困りましたと由也くんは頭を掻く。社員には階段を踏み外して転げ落ちたと嘘はついたものの、社内では取引先でトラブルになって殴られたとか綿菓子の彼氏に殴られたとか噂は回ってるらしい。
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