年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)


「こうしておけば、いつでも会える気がして」
「由也くん……?」


 初夏の夜空。赤ちゃんを失った日の夜空。亡くなった人は星になるって由也くんは言っていた。夜空の何処かに赤ちゃんはいるって信じて……。


「自宅の部屋にも同じものがあるって言ったでしょ。毎晩眺めて、一日の出来事を報告しておやすみって言って……」
「由也くんの部屋もこの時期の?」
「うん。でもこっちの方が綺麗に貼れたかな」


 由也くんはしばらく眺めたあと、今度は顔を下に向けた。


.
「それと、これ」


 由也くんは肘を曲げて裾から腕時計を出した。

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