年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)

「綾香さんだって結婚したいでしょう? 子供だって欲しいでしょう?」
「あ、うん……」
「僕はそうしてあげられない。綾香さんの将来を考えたら身を引くことが僕に出来ることだって」


 由也くんの腕が更に強くなる。


「このまま付き合っていても父の承諾が無い限り無理です、ファザコンとかじゃなくて。副社長でいずれ社を継ぐ人間として無責任なことをする訳にはいかない、パートを含めたら何千人の社員がいる。僕と父の痴話喧嘩で沢山の人を惑わす訳にはいかないんだ……」


 鎌谷の言った通りだった。ペーペーの新入社員には見えなかったものが今の由也くんには見えてる。あの頃の由也くんとは違う。スーパーの店長に突き飛ばされて泣きベソ書いてた男の子じゃないって。




「綾香さん、ごめんなさい……」


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