年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
 由也くんは私の体をくるりと回し、正面に向かせた。


「由也くん……」


 目の前にいるのはペーペーだった平社員じゃない。私が守ってあげたいって思ってた男の子は先を見据えた大人の男性になっていた。


「分かったから」


 由也くんの顔が近付くのが見えて自然に目をつむる。そっと唇が重なって、徐々に熱くなっていく。そして由也くんの背中に手を回して、むぎゅうって強く抱きしめた。
 照明を消して服を脱ぐ。由也くんは最後だから明りをつけたいって言ったけど拒否した。恥ずかしいし、こんな裸体を目に焼き付けてもらっても後々由也くんが後悔するんじゃないかって思った。下着姿になると私は裸を隠すようにすぐにベッドに潜り込んだ。由也くんも服を脱ぐと入って来る。私に覆いかぶさるとキスをしてその細い指で首筋や鎖骨をなぞる。薄暗い中でじーっと私の肌を見つめている。


「こんなに綺麗なのに」
「由也くん視力落ちた??」
「綾香さんはもう」


 由也くんはいつも以上にに優しく優しく愛撫してくれた。いつも以上にゆっくりと抱いてくれた。


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