喋れないけど、聞いてください。
プロローグ
「っ・・・」
私は、涙で掠れる目の前を必死で働かせ、いつものように紙とペンを見つけてそれを手に取った。
そして、震える手でこう書いた。
聞いてください。
大切な人が、突然私に×××してきました。
私は、声が出なくなってしまいました。
私には、自分が作詞作曲した歌をステージの上で歌うという将来の夢があります。
今、その夢は叶わないものとなりました。
神様、なんで、こうなったのですか。
「なんでっ・・・なんで逃げねえんだよ・・・」
ごめんなさい。
俺は、大切な人の声を奪ってしまったらしいです。
俺のせいです。
ここから消えたいです。
神様、償う方法を、どうか教えてください。
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