彩られたクチビル
まさかこのリングがお互いの勘違いの原因になるなんて思ってもみなかった。



彼は信じられないとばかりに私から距離を取って項垂れた。




「あの・・・もしかしてずっと私に旦那がいると思って遠慮したりしていたの?」



「そうだ。会うのだってお前の都合に合わせなきゃいけないと思った。家に行くわけにもいかないから駅で待ち合わせて・・・」




彼の目線に合わせるように私もそこにしゃがみこむ。



いつもは年上の余裕のある彼が大きな体を丸めている姿は可愛い。



思わず頭を撫でてしまった。
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