彩られたクチビル
最初から終わりしかない私の一方的な片想い。彼に会えるのは呼び出された時だけ。



毎日、定時に帰ってからの連絡を待ち続ける日々。




同僚には束縛の強い彼氏ねとからかわれるけれど同僚と食事に行くよりも彼に会いたい。



突然の誘いだからこそどんなときでも会えるチャンスを逃したくなんてない。




でも、そんな風に不倫に溺れ、彼からの連絡を待つことも出来なくなってきた。田舎の祖母が体調を崩した。



祖母は私をとても可愛がってくれたからひ孫の顔が見たいと会うたびに言っていた。




父も母も若くない。



せめて孫の顔は見せてあげたい。アラサーの私は不倫に溺れている場合ではない。



キス一つもくれないあの人を思うのはやめてお見合いでもして祖母や両親にひ孫、孫の顔を見せてあげたい。
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