彩られたクチビル
彼から突然のお誘いが来た。



次に連絡が来たときは終わりにすると決めていた。でも、いざ連絡が来ると躊躇ってしまう。身体だけでも良かった。



いつも勘違いをするくらいその瞬間だけは彼の一番になれたような夢を見れる。




寡黙だけれどその瞬間だけは私に夢中になってくれてお互いしか見えない。甘い甘い時間。



たとえ、それがほんの数時間で彼の腕に抱かれて眠りにつくことができなくても。



震える手で彼にメールを送る。了解と。これで終わり。




今日会えばもう二度と会うこともない。私は田舎でお見合いをする。そう、決めた。
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