彩られたクチビル
「最後なんだろ。なら・・・」




抱かせろよ。耳元で言われシートベルトを閉められる。逃げ出そうとドアを開けようとするもロックが掛けられていて開かない。



最後だというのに残酷な人。
私の身体に熱い熱を残すなんて。




無言で車を走らせる彼。行き先は決まってる。私はただこの静かな空間でおとなしくするしかできない。



いや、違う。抵抗して無理にでも車を降りることだってできる。ただそれをしないのは私もそれを望んでしまっているから。



彼が車を停めた場所はマンションの駐車場だった。どこなの?ここ。



てっきりいつものようにホテルに連れて行かれると思っていた私は狼狽える。



もしかして、ここは彼の・・・
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