続・溺愛協奏曲  蓮と莉子の甘々な日々
墓前に供えるにはふさわしくないかもしれないけれどあたしの頭に浮かんだのはこの花しかなかった




短い一生を終えた弟に恥ずかしくない生き方をしたい




お姉ちゃん頑張るね!




心のなかでそう呟くと鞄の中からラップに包んだお菓子を取り出してお墓に供えた




「莉子・・・それは?」




「これ、あたしが昨日作ったスポンジケーキなの・・・・どうせなら手作りのものがいいかなって思って・・・」




「そうか・・・・」




蓮はあたしに優しく笑いかけるとそっと肩を抱きしめた



心地よい夏の日差しが降り注ぐ




こんな海も一望できるようなところでよかった・・・・




弟のお墓をじっと見つめていると後ろになにやら人の気配がした



じゃりっと靴音が響く




蓮とふたり後ろを振り返ると30代後半位の眼鏡を掛けた男性と女性が花を持って立って居た




弟が逢わせてくれたのかな?そう思わずにはいられないくらいあたしは驚くことになる




ここに来るってことは・・・・弟の・・・身内ってことだよね



もしかして・・・・!あたしは目を見開いて目の前に立つ夫婦を見つめた







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