続・溺愛協奏曲 蓮と莉子の甘々な日々

「ここは加賀美家の墓なんだけど・・・・君たちは、もしや・・・」



そう呟いたままあたしの顔を食い入るように見つめる眼鏡を掛けた男性



紺色のスーツを着て短めの髪を品よくセットしているその姿は何処から見てもお金持ちの紳士



それは高そうな仕立てのよいスーツを見れば容易に窺えて、あたしはその場に縫い付けられたように立ち尽くしていた



「あなたたち誰？航、あなたの知り合いな・・」




航と言う男性の後ろにいた白いスーツを着た女性があたしを見るなり固まった



何か言いかけたようだけど・・・・




食い入るようにあたしを見つめたあと、その女性のあたしを見る目が瞬時に変わったのをあたしは見逃さなかった




憎しみにも似た表情に思わず身構えてしまって蓮のシャツの裾を咄嗟にぎゅっと握りしめた




「はじめまして、高遠莉子です・・・・こちらは友人の東條蓮で、今日は弟の墓参りに来ました突然伺って申し訳ありません」




あたしは震える声を悟られないように目を伏せたままぺこりと頭を下げた



一瞬の沈黙がその場に漂う



永遠とも思える沈黙の後口を開いたのは白いスーツの女性



「あなた・・・・もしかしてあの女の娘？」





綺麗な黒髪、毛先をふんわりカールさせ、上質なスーツの大人の女・・・・何処から見ても



完璧な色白の美人・・・でも氷のように冷たいような視線をあたしに向けていた