続・溺愛協奏曲  蓮と莉子の甘々な日々
それから慎ちゃんはあたしに背を向けると携帯で誰かと電話していた



何も言わずに背を向けている慎ちゃんが凄く悲しげに見えたけどあたしにはどうすることも出来なかった




無意識に叫んでしまった蓮の名前




気持ちがあるのとないのではこんなにも違うということをまざまざと思い知った



あたしの心にはまだ悔しい位蓮が住み着いてる




こんなあたしは呆れるほど大馬鹿だ



「迎え頼んだから送ってくよ・・・」




慎ちゃんはあたしと目を合わすことなくそうぽつりと話した



帰りの車内では外の賑やかな喧騒とは裏腹にしんと静まりかえっている




なんだか気まずいまま自宅に着いて車を降りようとすると慎ちゃんの声が響いた




「今日は莉子と過ごせて楽しかったよ・・・・」




「慎ちゃん!あたしこそごめん・・・・でもあたし慎ちゃんとはやっぱり「ストップ!!」」




「それ以上言わなくてもわかってるでもこんな情けない俺だけど莉子に対する気持ちは変わらないから・・・・それだけは解って欲しい」




そう一言言うと俯いたまま車は走り出した・・・・ひどく慎ちゃんを傷つけてしまったようで
胸が痛かった

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