続・溺愛協奏曲  蓮と莉子の甘々な日々
蓮が・・・帰ってくるんだ



それだけでどきどきして言いようもない気持ちが込み上げるのはどうしてなんだろう




「今月って・・・・もうすぐってことだよね」




あたしは壁に貼ってあるカレンダーをじっと見つめた



お父さんははっきりと何日とは言ってなかったけど・・・・



もしかして比呂美さんと一緒に帰国するのかも



ふたりの寄り添う姿が目に浮かんで込み上げる嫉妬心を無理矢理抑え込んだ




「合格したら・・・・大学が忙しくてこの街には当分帰らないだろうし・・・」



それに、あたしのことを全く知らない人ばかりの新しい土地で大学生活を送るのもいいかもしれない



心を切り替えよう




蓮のことは・・・・忘れるしかない




いや忘れなくちゃいけないんだ




そう自分に言い聞かせるとパソコンを開いて大学のホームページを食い入るように眺めていた



合格発表を真近に控えた冬、あたしの気持ちはすでに春から通うことになるであろう大学へと心が飛んでいた




そんなことを考えてなければあたしの心は砕けて壊れてしまいそうでただただ辛かった
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