続・溺愛協奏曲  蓮と莉子の甘々な日々
蓮は比呂美さんが腕を掴んだのに気づくと彼女の顔をちらりと見る



すると彼女は蓮の耳元にそっと口を寄せると何かを耳元で囁いた




その一連の仕草は凄く絵になっていて・・・・



あたしはこの場にいてはいけないようなのけ者のような気がしてならなかった



だって・・・二人の間にはあたしには入り込めないような信頼感



愛情のようなものが感じられて・・・



そんなふたりをあたしは見ていられなくて・・・・




気が付いた時には踵を返してその場を走り出していた



蓮が何かを叫んでいたような気がしたけれど・・・・




あたしはあの場に平然といられるほど強くない



とにかくふたりの姿を見たくなくて・・・・何処でもいいから一人になりたかった



「はあっ・・・こんなことならブーツなんかじゃなくってスニーカー履いてくるんだった」



走りながらそんな場違いなことを呟いてみる



知らず知らずのうちに流れていく涙を拭いながらとにかく走り続けた




ふと気が付くといつの間にか駅前にきていて、見つからない様に人混みに紛れて裏路地に入った




息が苦しい・・・・!もう駄目!!はあっ・・あたしなにやってんだろ馬鹿みたい





路地裏の薄暗い通路に座り込んでまた涙を拭った
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