続・溺愛協奏曲  蓮と莉子の甘々な日々
「こんな上玉、誰が逃がすか・・・」



赤い髪の男はそう呟くとあたしの腕をぐいぐい引っ張ると大股で歩き出した



あたしは身長差のせいなのか必然的に小走りになる




だから思わずつんのめりそうになり途中で何度かよろけてしまった



もう!足が痛いのに!ってか何処連れてくのよ



このまま連れて行かれてこの男たちのいいようにされるなんて冗談じゃない



「ちょっと離してよ!あたし帰りたいんだってば離してって言ってんでしょ!」



「うるせえな!静かにしろや!!黙って付いてこい」




腕を振りほどこうと何度もするが・・・



びくともしない!こんな時、女は非力だと嫌でも気付かされる




でも・・・だからといってこの男たちに好き勝手されるなんて・・・



「冗談じゃないっての・・・・」




あたしは渾身の力を込めて男の腕を引っ張ると手首に噛みついた




「うわああああ痛ってえ~!!この女噛みつきやがった!」



男はうずくまりあたしの手を瞬時に離す



手が離れたと同時に脱兎のごとく街の中を駆け出した
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