続・溺愛協奏曲  蓮と莉子の甘々な日々
「あ・・・あのなんであたしの名前・・・?」



「若の未来の姐さんになる人の顔と名前、うちの組には知らねえ奴はいませんそんなことより
うちの若が組員に召集かけて血相変えて探してます!早く行きましょう」




「あの~ちなみにあたしを探してる若って・・・・もしかして東條組の若頭だったりとか?」




「は?決まってるじゃないですか!ここらへん一帯は東條組の管轄ですからねえ何処にいても
組員の目がありますから安全なんですがたまに変な輩がうろついてるんで最近は警備を強化してます・・・だから煩い蠅共は後ろの奴にまかせて早く行きましょう!」




そう言ってあたしを促すとゆっくりと歩き出す黒スーツ、スキンヘッドの強面のお兄さん



最初は怖そうな印象だったけど笑うと目がなくなるところがなんだかとても可愛くてあたしは
その笑顔に好感がもてて黙って付いていくことにした




信号機三人組は数人の強面のお兄さんたちにぐるりと囲まれたためあたしを追っては来られないようだから・・・・




あたしは痛む足を少し引きずるように後を付いていくけど、さすがに何だか様子がおかしいとお兄さんも気が付いたようだ





目線があたしの足元に目がいってるのが解る




あ・・・・気付かれちゃったかな~早く歩けよ!なんて思ってたりして・・・




そんなことを思っているとお兄さんは急に屈みこんであたしを抱っこした



急に感じる浮遊感に驚いて腕を掴んだ



「足・・・・痛いんですよね?すんませんが急いでるんで抱っこしちゃいますよ」




お兄さんはあたしの顔を覗き込んでそう呟くと繁華街を悠然と通り抜けた
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