続・溺愛協奏曲  蓮と莉子の甘々な日々
「でも・・・健、なんで女の格好してモデルなんて・・・・」




涼くんがぼそっと低い声で呟く



すると比呂美さんは恥ずかしそうにふっと笑うとゆっくりと話し始めた



「昔っから女の子の格好するのは大好きだった・・・・姉と妹がいるせいもあって女の子みたいな容姿の俺は何故かいっつも着せ替え人形でさ、でも髪型やメイク、服装をちょっと変えるだけでみるみるうちに男の子だった俺が女の子に変わる瞬間がとっても快感でさ・・・・気が付いたらいつの間にか女装が趣味になってた」



そう言って立ったまま話していた比呂美さんは待合室の椅子に座ると何処か遠くを見つめながら再び語りだす



一連の流れるような仕草は見惚れてしまうくらい美しかった



「でも、小学校高学年くらいのころ両親が離婚して日本にいる母親側に姉と妹、俺は父親側に引き取られると環境ががらっと変わった・・・アメリカに渡った俺は仕事人間の父親に全く相手にされなくなり一人暮らし同然の生活、その頃かな~太りはじめたのは・・・・」



「比呂美さん・・・・もしかして淋しくて食べ物に・・・?」




「莉子ちゃん、あたり!そう、全部今までのストレスっていうか淋しさを埋めるためっていうか神経が全部食べ物にいってしまった・・・・自分が自分でなくなってしまうような感覚でさ
これじゃあいけないって思って父親に頼み込んで中二の春に蓮たちのいる中学に転校してきたってわけ・・・その頃からかなあまた女装癖が復活したのは~」




「ああ?お前あの頃から女の格好してたのか?」



「そう!ストレス解消っていうか・・・・俺の唯一の趣味だったし、だけど太ってたから何着ても似合わなくてさ~頑張ってダイエットしたってわけ、でも高校はアメリカの高校受けようと思いはじめて三年に進級するころまたアメリカに渡っちゃったから蓮たちの記憶してる俺は太った俺しか記憶にないってこと!まあ涼がわかんないのも無理ないわ~」



そう一気に話終えるとくすくす笑い出す比呂美さん



涼くんは納得したのか懐かしそうに同級生である比呂美さんこと、健君の顔を見つめていた
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