続・溺愛協奏曲  蓮と莉子の甘々な日々
永遠ともいえるような沈黙が続いたあと口を開いたのは涼くんだった



「健!そろそろ行こうか?久しぶりの再会を祝してふたりで何かうまいもんでも食べに行こうぜ、それに蓮たちの邪魔をしちゃ野暮ってもんだ!ほらさっさと行くぞ」



「あ?あ~そうだね、じゃあ蓮!また連絡するから~莉子ちゃんもまたね」



ふたりはひらひらと手を振りながらこの場を去っていく



蓮はふたりが去った後姿を見つめていたかと思うとふいにぐいっとあたしの手を引いた



「俺たちも帰るぞ、話は家に着いてから聞く」



そう一言あたしに告げると足早にこの場を去った



涼くんのところの産婦人科をあとにするとすぐ傍に停まっていた車に乗り込む



蓮は車に乗り込んでからも何も言わずあたしの手を握りしめたまま



なんだかあたしは気まずいままただぼーっと車窓を眺めていた



この道は・・・・たぶん東條組に向かってるんだろう



あたしは真っ先に聞かれるであろう蓮とあたしの赤ちゃんのことについて思いを馳せていた



順調にいってたらもうすぐ産まれていただろうな




女の子かな・・・・蓮によく似た男の子だったのかな



あたしはそんなことばっかり考えていたから蓮が悲しげな顔で見つめていたなんて思いもしなくて・・・





でも、久しぶりに訪れた東條組はなんだか懐かしく・・・・とても暖かかった
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