続・溺愛協奏曲  蓮と莉子の甘々な日々
それから数日後、あたしは蓮と一緒に母の入院する病院に来ていた



蓮に後押しされたせいもあるけど、なによりあたしが逢いたいと思っていた



父親は違えどあたしの弟を病気で亡くしたお母さん




愛するひとの子供を亡くしてしまったお母さん



状況は違くても子供を亡くしてしまった悲しさ・・・・辛さは痛いほどわかるから・・・



でも、お父さんとあたしを捨てて家を出たことに関しては何故?って気持ちが頭を渦巻いていて・・・・色々な気持ちがあたしの中で葛藤していた



いくら好きなひとが出来たからって・・・・お腹を痛めた我が子を捨てて家を出るなんてこと
あたしには到底出来ないと思う




っていうか・・・・何故そんなことが出来たの・・・?




あたしはそのことを直接聞きたくて病院の受付へと急いだ




病院は思っていたより大きな病院でフロアは沢山の外来患者で溢れていた



蓮はそっとあたしの手を握りしめて受付でお母さんの名前を告げる



なんだか妙に緊張してしまってざわめきが遠くに感じられて・・・・




ふいに蓮が心配そうにあたしの顔を覗き込んだ




「莉子、大丈夫か?お前の母さんこの通路を渡ったところの棟の5階の一番奥の病室だそうだ
それよりもなんだか顔色悪いし・・・・具合悪いならまたにするか?」




心配そうにあたしの肩を抱き寄せて問いかける蓮に首を横に振る



逢わなくちゃいけない・・・使命感のようなものがあたしを支配しているようだった
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