続・溺愛協奏曲 蓮と莉子の甘々な日々

第２６章

「どちらさま？初めてお会いしますよね？でもなんだか前にどこかで逢ったことがあるような」



お母さんは記憶の糸を必死で辿っているよう



・・・けど、やっぱりお母さんあたしのこと・・・わからないんだ



落胆を隠せないけれど仕方ない、それは全て想定内のこと



連にも言われていたことだけど流石にショックを隠せないあたしはただ唇を噛み締めるしかなかった




そんなあたしの口から出た言葉は自分でも意外な言葉



「あたし・・・・あの！娘さんの友達なんです・・・今日はお見舞いに」



「え・・・・莉子の・・・そう」



お母さんはあたしの言葉にそう答えると頷きながら看護師さんと窓際へと歩き出した



なんであたしが莉子だよって言えなかったのか・・・咄嗟に出た言葉がそんな言葉で・・・




お母さん・・・あたし、莉子だよそんな簡単な言葉がどうしても言えなくて窓際に立つお母さんの後姿をじっと見つめるしかなかった




でも・・・・お母さんはあたしのことを覚えてくれている



それだけで何だか嬉しくて窓際に立つお母さんの後姿に吸い寄せられるようにあたしは隣に立った



でもお母さんはそんなあたしに気付くことなく窓辺に立って道行く人を見つめている




なんだろ・・・・何かあるのかな？そんなことを思っていた時お母さんがふいに口を開いた