続・溺愛協奏曲  蓮と莉子の甘々な日々
「莉子は昔っから可愛かったからきっと彼氏なんて当然いるんだろうな・・・・なんて思ってたけど実際何年ぶりかで再会して大人になった莉子に逢って東條君の存在を知った時は正直言うと結構ショックだったんだよ」



慎ちゃんはそう呟くと柔らかい笑みを浮かべる


その横顔は驚くほど綺麗で大人びて見えて・・・男の人に綺麗なんて言うのは失礼かもしれないけれど心の底からそう思わずにはいられなかった



「まあ、東條君が莉子のこと大事にしてるってのは凄い伝わってきたよ・・・・莉子のこと好きなんだなってのが見てて分かる、莉子を見る瞳が優しさに溢れてた・・・でも」



「慎ちゃん・・・・?」




そのまま言葉に詰まったように黙りこくってしまったまま海をじっと見つめたままの慎ちゃん



あたしの心をすべて見透かしてしまうような瞳を怯えるようにただ見つめる




再び発せられた言葉はあたしの胸にぐさりと突き刺さるような言葉で・・・・



あたしの心が不安でぐらぐら揺れ動いた



「莉子・・・・東條君がいくら君を愛していても所詮彼の家はヤクザだ、常に危険が付きまとう・・それを承知で彼と結婚するって言うなら俺はもう何も言わないつもりだったけど・・・
俺は東條君が莉子を悲しませるようなことをもし、したとしたらその時は遠慮なく莉子を攫いにくるから・・・それだけは覚えていて」



波の音が響く春の海で慎ちゃんはあたしにそんなことを言った



そっと近づくと額に触れるようなキスをする



それはあっという間の出来事であたしは呆気にとられてしまった










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