ひだまりに恋して。
それからずっと探したけれど、被写体になってほしいと思う人はいなくて。

ただ時間だけが過ぎて行った。


新学期の部登録の締め切りの日、私は途方に暮れていた。



「んーーーー」


「んもう、萌ったら!今週ずっとその調子じゃん!」


「花ちゃん、ダメだ。」


「何が。」


「私、被写体になってくれる人なんてみつけられな、」



その時、私ははっと息を呑んだ。



―――いた、ひとり。



「萌?」


「花ちゃん、行ってくる!」



私は笑顔で走り出した。

あまりにも突拍子もないけれど、それはあまりにも名案で。

思いついてしまったら、もうその人しかいないって思って―――
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