だんご虫ヒーロー。【番外編集】




「…いい年の男が女子中学生の後をつけるとはな?それでもアンタ、警察官?」




やられた。




徳永と時田は囮。
俺を捕まえるために走ったのか。




俺の腕を掴んでニヤリと笑う、武井。




走って戻ってきた徳永と時田はイタズラが成功したようにピースをしてる。




それから警察官である俺を荷物持ちに使い、俺は女子中学生に連行された。




武井達に連れていかれたのは、武井達の家でもある施設近くの公園。




徳永と時田は施設の子供達と公園で遊んでいる。




それを見ると補導されるような女子中学生には見えない。




優しいお姉さんに見える。




「…聞いたんだって?早苗と花織の両親のこと」




荷物を置いてきた武井が俺の隣に座った。




「あ、あぁ。あいつらが自ら話してくれた。
正直、言葉が出なかった」




子供達と遊ぶ徳永と時田を見る。




「あたしのことは聞かないんだな。
ま、気になるわけないか」




武井がそんなことを言うとは思わなかった。




いつも俺のこと無視してたから、俺のこと嫌いなんだと思ってた。




この言い方はきっと話を聞いて欲しいんじゃないのか?




「…もちろんお前のことも知りたい。
でも無理やりは聞かない。
お前が話す時が来たら、ちゃんと聞く」




< 32 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop