だんご虫ヒーロー。【番外編集】
「…いい年の男が女子中学生の後をつけるとはな?それでもアンタ、警察官?」
やられた。
徳永と時田は囮。
俺を捕まえるために走ったのか。
俺の腕を掴んでニヤリと笑う、武井。
走って戻ってきた徳永と時田はイタズラが成功したようにピースをしてる。
それから警察官である俺を荷物持ちに使い、俺は女子中学生に連行された。
武井達に連れていかれたのは、武井達の家でもある施設近くの公園。
徳永と時田は施設の子供達と公園で遊んでいる。
それを見ると補導されるような女子中学生には見えない。
優しいお姉さんに見える。
「…聞いたんだって?早苗と花織の両親のこと」
荷物を置いてきた武井が俺の隣に座った。
「あ、あぁ。あいつらが自ら話してくれた。
正直、言葉が出なかった」
子供達と遊ぶ徳永と時田を見る。
「あたしのことは聞かないんだな。
ま、気になるわけないか」
武井がそんなことを言うとは思わなかった。
いつも俺のこと無視してたから、俺のこと嫌いなんだと思ってた。
この言い方はきっと話を聞いて欲しいんじゃないのか?
「…もちろんお前のことも知りたい。
でも無理やりは聞かない。
お前が話す時が来たら、ちゃんと聞く」