だんご虫ヒーロー。【番外編集】
番外編4:ずっと一緒の1日
これは消し去りたい出来事と同時に、一生忘れられない出来事。
大学院を卒業して、臨床心理士として働き始めてしばらく経ってのこと。
今日は仕事が休みで、いつもより遅くまで寝ていた。
そういえば今日は夕里も仕事休みって言ってたな…
「……ん………」
重い瞼をこすりながら、ゆっくり目を開ける。
目の前にいた人物にすぐに目が覚める。
「…ゆ、夕里!?」
目を大きく見開く。
夕里はニッコリと笑って「おはよ」と言った。
なんだか機嫌がいいな、朝から。
というか私のベッドにいつの間に入ってきたの?
それを聞きたかったけど、それよりも聞いて欲しいことがあるみたいで。
夕里の笑顔がそれを訴えてる。
「……なんでそんなにご機嫌なの?」
渋々聞くと、待ってましたというように夕里は食いついてきた。