だんご虫ヒーロー。【番外編集】
そして夕食。
篠山家ではなく、お母さんにしては珍しく高級な店を予約しておいたと言って外食。
何だか事が上手く運んでいて、お母さんが怪しく見える。
お母さんは笑顔で私達を予約した席へと案内してくれる。
店は和風で、私と夕里のお金では一生かかっても入れないであろう店。
「…お待たせしました」
私達の先を歩いていたお母さんが襖を開ける。
お待たせしましたって、私と夕里しかいないんだから言わなくたっ……て。
座席を見て驚愕した。
そして夕里の顔は蒼白になった。
席には芹田家の皆さんが一列に座り、勢揃いしていた。
え、これって一体……
皆さん正座をして、下を向いて黙っている。
空気が重い。
今すぐにフランスに帰りたい。
その中でお母さんが一番普通に笑顔を見せている。
「…さ、とりあえず2人とも座りましょ?」
笑顔のお母さんにある意味尊敬する。