だんご虫ヒーロー。【番外編集】
「…李。そんな離れてないで、こっちおいでよ?」
夕里が手招きしてるけど、私はいかない。
夕里に無理言って白い入浴剤を入れてもらった。
だからあまり体は見えない。
それでも恥ずかし過ぎる。
だ、だって目の前に…は、裸の夕里が……
考えただけでも逆上せてしまいそう。
「……李は今日1日俺とずっと一緒にいて、楽しくなかった?」
急に悲しそうな声が聞こえて顔を上げれば、夕里は眉を下げてショボンとしている。
楽しくなかったわけない。
ずっと隣に夕里がいて、内心とても嬉しかった。
「……そんなわけないでしょ…?」
小首を傾げて夕里を見つめる。
私、とても楽しかったよ?
だからそんな悲しい顔しないでよ。
今日の主役が悲しそうにしてたら、私だって悲しいんだから。