だんご虫ヒーロー。【番外編集】
「…私だって中学の時、お母さんが部屋に勝手に入ってきたら、身近な物投げたし」
「え!?じばっちゃんもお母さんの部屋に勝手に入ってきてたの!?」
お母さんは困ったようにコクリと頷いた。
「じばっちゃん」とはお母さんのお母さん、つまり私の祖父母。
「おじいちゃん」でもあり、「おばあちゃん」でもあるから略して「じばっちゃん」。
しかもお母さん、じばっちゃんに物投げたって言ったよね?
もしかして私がお父さんに物投げるの、遺伝的な?
そんなことを考えながら朝食を口にする。
するとやっとお父さんを引き離したお母さんが、思い出したように私を見た。
「…あ、嘉子。そろそろ2人が来るんじゃない?」
「え、もうそんな時間!?」
丁度朝食を食べ終えた私は慌てて立ち上がる。
歯磨きを超特急で済まして、髪を一つに縛る。
用意しておいたカバンを持って、玄関の鏡で全身チェック。
「お母さん、いってきます!!」
「お父さんには!?」と言うお父さんのツッコミは無視して、私は家を出た。