だんご虫ヒーロー。【番外編集】
お母さんの隣に正座して、私の隣に夕里が座った。
私の前には夕里のお母さんと思われる方がいる。
黒髪のショートヘアでクールビューティーって感じの人。
夕里と向き合っているのが、お父さんだと思われる方。
夕里のご両親とは初対面なんだよね。
それなのに勝手に入籍なんてしたから、絶対怒ってる。
「…お、お母さん!お父さん!この子が李ちゃんよ!」
夕里のお母さんの隣にいた美夕紀さんが、空気を直そうと私を紹介してくれた。
「す、李です…!この度は勝手な入籍をしてしまい……えっと……」
なんて言ったらいいんだろう。
オドオドしていると、ぷっと夕里のお母さんが吹き出した。
「…ごめんなさい、脅かすようなことをして。
大丈夫よ?そのことに関しては全く怒ってないから」
ニコッと笑ってくれた、夕里のお母さん。
でも次の瞬間には夕里を鋭い目で睨んでいた。
「……夕里はあとで説教だかんな」
性格が変わりすぎて怖い。
夕里は体をブルッと震わせて背筋を伸ばした。