だんご虫ヒーロー。【番外編集】
まぁ、普通カコって読むよね。
読み方を間違えられるのは好きじゃないけど、この2人にカコって呼ばれるのは好き。
「…何、一人で笑ってんだよ。気持ち悪っ」
「んなっ!?女の子に向かって気持ち悪いってなに!?」
横目で私を見る、祐。
祐ってほんとに口が悪い。
女の子に言ってはならないことをハッキリ言ってしまう。
それに比べて優は……
「あ、そうだ。カコ、今日テスト勉強するんだよね?
帰りも学校までお迎えに行くよ」
「わ!ほんと!?優、ありがとう!」
ニコッと笑う優はとても優しい。
頭も良くて、テスト前はいつも勉強を教えてくれる。
「おい。いつ優と勉強する約束したんだよ」
いきなり低い声で囁かれ、立ち止まってしまう。
祐に肩を掴まれ、真剣な目をしてる祐。
その表情と声にドキッとしてしまう。
なんでいきなりそんな声出すのよ。
「…わ、私がいつどこで優と約束しようが私の勝手でしょ!
祐には関係ない!」
ドキドキを隠そうとして出たツン。
私は走って校門を通った。
だから祐と優が、
「…僕に嫉妬するなんて…ね?」
「………う、うるせぇよ」
こんなことを話してるなんて知らなかった。