だんご虫ヒーロー。【番外編集】
無言の帰り道。
隣には祐が自転車を押してるけど、何も話してこない。
祐は部活のウィンドブレーカーを着てる。
ちなみに部活はバスケ部。
「…ぶ、部活後で汗かいてるでしょ?わざわざ送ってくれなくてもよかったのに…」
「俺がそうしたかったからしただけだ。カコは気にせず送られてろ」
私を見ることなくまっすぐ前を向いたまま話す、祐。
こっちは風邪ひいちゃうって心配したのに。
祐の横顔を盗み見る。
やっぱり双子だなと思ってしまった。
髪型と性格は違うけど、筋の通った鼻、顔の輪郭、喉仏の出っ張り具合、どれも優に似てる。
髪型と服装同じにしたら、絶対同じ顔になるはず。
「…優に何かされなかったか?」
「…………え?何か…って……」
祐に聞かれて、優とあったことを思い出した。
そうだ。私、あとちょっとで優にキスされそうになったんだ……
考えただけで顔が熱くなる。