だんご虫ヒーロー。【番外編集】
夕里を見上げると、夕里は頬を赤くして微笑んだ。
「…す、李には悔いなく生きて欲しいから…さ」
悔いなく…
後悔がないように生きてきたけど、やっぱり結婚式は挙げたかった。
あとは………
「…こんなおばさんでも、式できるかな?」
嘉子に首を傾げると、嘉子の表情がパァッと明るくなった。
「…お母さんはおばさんじゃないよ。
お母さんはいつまでもお母さんなんだから」
なんだか分かるような分からないような気がしたけど、すごく嬉しかった。
ありがとうと言う代わりにニコッと笑う。
嘉子はそれを肯定と受け取り、満面の笑みを浮かべた。
すると嘉子は二階に上っていった。
すぐ降りてきたと思ったら、その足音は複数聞こえた。
「李!決まったのなら行くよ!」
「あ、綾女!?なんで嘉子の部屋に!?」
階段を降りてきたのは綾女と尾口先輩そして嘉子の三人。
綾女は早速私の手を握って外に連れ出そうとする。
まだ顔も洗ってないし、服もパジャマのままなんだけど!?
「…ちょ、ちょっと待って!綾女!」
私は急かす綾女を引き止めて、急いで準備をした。