だんご虫ヒーロー。【番外編集】
簡単にご飯を食べて化粧して服に着替えると、すぐに連れて行かれたのはある結婚式場。
夕里が運転する車の中で嘉子は朝から綾女と尾口先輩を呼んでいて、待機してもらっていたことを話してくれた。
ずっと嘉子の部屋にいたって……嘉子の部屋物色してないよね、この二人。
綾女と尾口先輩を見るけど、二人は相変わらずラブラブで自分達の世界に入っていた。
そして到着した結婚式場に入る。
結婚式を挙げるところだけあって、そこはすごく綺麗なお城みたいだった。
お城に入ったお姫様のような気分に浸っていると、スーツの女性達がこっちにやってきた。
「…李ちゃん!!」
名前を呼ばれてジッとその子を見つめると、私は目を見開いた。
「……え、ウソ!?雪菜ちゃん!?」
スーツ姿の女性達の中心を歩いていたのは尾口先輩の従妹の雪菜ちゃんだった。
私は雪菜ちゃんに駆け寄り、両手を合わせた。
「雪菜ちゃん久しぶり!見ないうちにすっかり大人になっちゃって!」
「李ちゃんは変わらずに綺麗でびっくりしたよ!!」
二人して飛び跳ねながら、再会を喜んだ。
にしてもなんで雪菜ちゃんがスーツ姿でここにいるのだろう。
私の疑問をいつの間にか隣に来ていた夕里が教えてくれた。
「…雪菜はウエディングプランナーとしてここで働いてるんだ。
リーダーみたいになって偉くなったみたいだよ?」
な?と夕里が雪菜ちゃんを見ると、雪菜ちゃんは少し照れ臭そうに笑った。
雪菜ちゃん、ウエディングプランナーになったんだ。
髪も相変わらず短くて、でもその髪型がすごく似合ってる。
スーツもビシッと着こなしてて、まさに働く女性って感じ。
雪菜ちゃんの成長を我が子のように嬉しく思ってしまうのは、年をとったせいだろうか。