だんご虫ヒーロー。【番外編集】




「ちょ、李ちゃん!いいよ!すごく似合ってる!もうこれにしようよ!」


「に、似合ってないよ!色んなところから肉が出てるから!」




着てみると意外と窮屈なウエスト。
最近の子はこんなに細いのかと現実を知らされる。
これはダイエットしないと……




「よし、カーテン開けるよ!?
夕里ぃー!嘉子ちゃーん!来てー!」


「ゆ、雪菜ちゃん!?夕里と嘉子呼ばなくていいし、カーテン開けないで!」




雪菜ちゃんってこんなにもグイグイいく感じの人だったっけ?
時間が雪菜ちゃんを変えてしまっただろうか。




「…李、開けるよ?」


「い、いや!開けるなぁ!」




シャッ




私の拒絶も虚しく、夕里にカーテンを開けられた。
試着室の前には目を見開く夕里と嘉子。




その少し後ろから目を輝かせているのは綾女と尾口先輩、そしてほかのウエディングプランナーの方達。




「お母さん!すごく似合ってるよ!
14歳の娘がいるとは思えないよ!!」


「李可愛い!似合いすぎだよー!」




嘉子は私を上から下まで舐めるように見て、綾女は私に飛びついてきた。




こんな羞恥プレイ味わったことない。
結婚式ってこんなドレス着てやるの、耐えられない。




もう早く着替えようとカーテンを閉めようとしたけど、いつの間にか近くにきていた他のウエディングプランナーの方達に止められた。




「奥様すごくお似合いです!とても30代には見えませんよ!」


「スタイルも素晴らしいです!どうやって維持なさってるのか教えて欲しいくらいですよ!」




どんどん詰め寄ってくる。
そんなに褒められると、体内の水分が沸騰してどうにかなりそう。




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