だんご虫ヒーロー。【番外編集】
ふっ
今まで何も言わなかった夕里が笑って、私に近づいて来た。
そしてフワッと持ち上げられて夕里のところに引き寄せられる。
「…俺が毎晩愛してますから、李が綺麗なのは当然ですよ」
ね、李?
夕里は小首を傾げて私に笑顔を向けた。
ちょ、ちょっと何言ってんのこの人!?
「「「「キャーーーーー!!」」」」
その場にいた女性、綾女、雪菜ちゃん、ウエディングプランナー二人は一斉に黄色い声をあげた。
嘉子はどう反応していいのか分からずに赤面している。
尾口先輩はヒューヒューとはやしたててくる。
「…娘さんに弟か妹が出来るのも近いですよ!!」
「私もこんな風に愛されたいですー!」
特にウエディングプランナーの方達の反応がすごくて、全身が熱くなる。
夕里に「このチャラ男!」と口パクで伝えると、夕里は「ありがとう」と口パクで返してきた。
ありがとうじゃないよ!!!
キッと夕里を睨むと夕里はふいっと逸らして、雪菜ちゃんの方を向いた。
「じゃあ、雪菜。ウエディングドレスはこれにする」
私のことなどお構いなしに話をサクサクと進めていく、夕里。
もうどうにでもなればいい、私はトボトボと雪菜ちゃんの待つ試着室に戻った。