死んでしまった青い鳥
1.青山くんという人
ぴきっ
自慢の営業スマイルが凍りつく。
「すみません、ポテトMサイズひとつ。それとファンタグレープとコーラのSサイズお願いします」
いま私がオーダーをとっている相手、それは友人の彼氏、青山くんその人だった。
そしてその隣には女子。
手とか繋いじゃってるし、どう見ても恋人だ。
二人とも制服なところを見ると、放課後デートまっさい中ってところかな。
青山くんはまったく動じずに爽やかににこにこしている。
よほどの大物なのか。それとも気づいていないのか。
こんな人畜無害な顔をして、やってることはえげつない。
青山くんにふつふつと怒りを感じつつも
心の奥底の自分はあまり動揺していなかった。
どうせ、こんなもんだよ。
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