死んでしまった青い鳥
『放課後、礼拝堂まで来てください 青山』
何度見ても文面はそのままだった。
青山も見間違えじゃなかった。
あ、礼拝堂というのは私の学校がカトリックだからです。おまけにいうと中高一貫。
というか、やっぱり気づかれてたんだ……まぁそうだよね。
いくらバイトの制服着てて雰囲気ちがったって顔は変わらないわけだし。分かるか。
もうしょうがない。
現実は否定しても変わりはしない。
そこからどう行動するかが大切なのだ。
腹をすえると、私は美緒の目に入らないようにプリント入れの中にメモを隠す。
呼び出すだなんて上等じゃないの。
こっちにはなんの落ち度もないし、責められる言われもない。
どんとこい、どんと!
第一、私は美緒にあのデートのことは話していない。
あれは美緒と青山くんの問題であって、私が口を挟むべきことではないと思う。
とくに恋愛なんて、第三者が絡んでもろくなことがない。
なんていう私も別に海千山千の女ってわけじゃないけど。
実際は初恋もまだのチェリーもいいところだ。
だけど周りで繰り返される恋愛沙汰を見ていれば嫌でもわかる。
…………まぁ、耳年増ってやつです。はい。