赤糸~新撰組の飼いがらす~
辻斬りには、一つの手口がある。
殺害したあと、血染めのからすの羽が、死体に供えてある、という手口。
最近見つかる死体には、必ずと言っていいほど、羽が添えてある。
よって、最近怒る辻斬りは、全て同一人物の犯行と見込んでまず間違いは無いだろう。
しかし、手掛かりはそれ以外ないのだ。
有力な目撃情報も無い。
ましてや、ただでさえ人口の多いこの町で、たった一人を探し出すというのは困難。
しかし、諦めるわけにはいかない。
土方にだって、面子というものがある。
新撰組副長として、事件を未解決のままほうきするわけにはいかない。