赤糸~新撰組の飼いがらす~
「……わかった。すぐに二条城まで向かう。一番組の奴らはもう待機してるのか?」
「はい。沖田隊長と既に」
「そうか。なら念のため、三番組と十番組の隊士たちも連れて、山崎も向かってくれ」
「御意」
山崎が素早い動作で立ちあがる。
襖の向こう側に、山崎の姿が消えていく。
平静を装う彼も、内心困惑しているのだろう。
襖は開けっ放しになっていた。
無意識に、土方は目頭を押さえる。
疲労のためか、ここ最近、目が乾いて仕方がない。