しわくちゃになったら、会いに行きます。


 彰太くんに伝えておいた時間はとっくに過ぎていて、なんだか約束を破った気分。


 もう、帰っちゃったかな……。


 どこにだよと自分で自分に突っ込みながら、辺りを見渡してみた。


 やっぱり、いない。




 「だよねぇ」




 もしかしたらいるかもしれないと期待した分落ち込み方も激しくなる。


 がっくりと肩を落としたあたしに、背後から声が掛かった。


 振り返ると、クラスメイトの大藤くんだった。




 「紀月さん、部活、決めた?」


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