しわくちゃになったら、会いに行きます。


 大藤くんは、柔らかそうなダークブラウンの髪を揺らして微笑む。




 「うん。どうして?」




 優しそうな笑顔に問うと、彼はいや、とはにかむ。


 笑顔が印象的だな。




 「俺、声優部に入ろうと思うんだけど、一緒にどうかなって」




 声優部……あぁ、あれか。


 確かに、大藤くんにはぴったりかもしれない。


 でも、どうしてあたしまで?


 あたしが首をひねると、彼は誤魔化すように笑う。


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