しわくちゃになったら、会いに行きます。
あたしも、もしお兄ちゃんの立場だったら、一生後悔してたと思う。
妬まれこそすれ、なんで感謝なんてするんだろう。
そんな思いが顔に出てたのか、彰太くんは苦笑混じりに呟いた。
「母さんに我が儘言って、出場して、ベンチで指咥えて見てろなんて、できると思う?」
あたしは、あぁ、と納得する。
確かに、それは出来ないかも。
そう言うと、彰太くんは嬉しそうに微笑んだ。
「俺も必死だったからさ。先輩、何かを感じ取ったんだろうなって。
けど、バスケットって、試合中ほぼずっと走ってるんだよね。
それが正直辛かったのを覚えてる。手術してすぐの膝に堪えた」