しわくちゃになったら、会いに行きます。
見ると、廊下の先にあるリビングでお兄ちゃんがすまなさそうに両手を合わせていた。
別にお兄ちゃんが謝ることはないけど……。
あたしは子供じゃないっての!
でも、口には出さない。
お姉ちゃんやお兄ちゃんは、お母さんにあたしを託された責任として、
昔からよく面倒を見てくれてたから。
「ごめんなさい、気をつけるから」
素直に謝れば、お姉ちゃんはため息をついて、リビングに戻っていく。
「女の子が遅い時間まで帰ってこないと、心配するでしょ。
最近は物騒なんだから」