しわくちゃになったら、会いに行きます。
こんな風に怒るのも、あたしを心配してるからだって、知ってるから。
はーい、と短く返事をして、リビングへ入る。
お兄ちゃんはご飯を食べずに待っていてくれたみたいで、二人分のご飯が食卓には並んでいた。
「今日は部活紹介のはずだから遅くなるんだぞって、言ったんだけどな」
「遅いにも限度があるでしょ。学校が9時や10時まで生徒を拘束するはずないんだから」
お兄ちゃんはあたしと同じ高校出身だから、行事の流れをよく知っている。
たまに学校に来ることもあるらしくて、バスケット部員にとっては憧れの存在らしい。
そんなお兄ちゃんに、お姉ちゃんは歯向かうように言い返して、洗濯物を畳みはじめた。
「お前はホント堅いな……朱里ももう高校生だぜ? 寄り道くらいするだろ」