しわくちゃになったら、会いに行きます。
昔は、こんなんじゃなかったのにな……。
テーブルを叩いたせいでジンジンする手を摩りながら、ため息を漏らす。
お母さん、あたし、どうしたらいいの?
お兄ちゃんもお姉ちゃんも、最近はお金がどうこうとか、将来がどうとか、難しい話ばかりして。
あたしは二人に挟まれて、気が沈んでいくばかり。
一人蚊帳の外で。
「どうすればいいの……?」
ベッドに倒れこむ。
思い浮かべたのはもうぼんやりとしか思い出せないお母さんの顔と。
素敵な笑顔を浮かべる、彰太くんの姿。