しわくちゃになったら、会いに行きます。


 でも、お兄ちゃんは少し考えたあと、小さく首を振った。




 「アリなんじゃねぇの?」




 窓から覗く空を見つめて、お兄ちゃんは呟くように言う。


 視線の先の空は、濃紺に染まった夜空。


 しばらくの間、あたしはその言葉の意味を理解しようとして、固まる。


 そして理解した瞬間、またフリーズ。




 「ホントに……?」




 重ねて問うと、逡巡したのち、おう、という言葉が続く。


 信じられない。お兄ちゃんが、そんな風に言うなんて。


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