しわくちゃになったら、会いに行きます。
なんで?と首を傾けたあたしに、お兄ちゃんはため息をついた。
「こう言うのもなんだが、アイツにとって、恋愛ってさ、もう出来ねぇもんだろ?
それをお前が叶えてくれるなら、普通、嬉しいんじゃねぇの」
後頭部をガリガリと掻きながら、「よくワカンネ」とお兄ちゃんは一人ごちる。
……そんなものなのかな。
明日、莢子にも聞いてみよう。
実際、恋愛経験が豊富な彼女に聞いた方が、まともな答えが返ってきそうな気がした。
……あ。
でも、そうすると、莢子にも訳を話さなくちゃいけないんだ。
「……ふぅん」